――またも金権腐敗が繰り返されている。
小沢党首 今の統治機構、すなわち腐敗の温床となっている政官業のトライアングルの構図を変えないと同じことが繰り返される。そのためにはまず国会を政治家の手に、政府も政治家の手に、という本来の姿にしないといけない。政治家自身にもいまだに「御上」とは官僚だという旧来の思想がこびりついている。国会の委員会質疑の「Q&A」まで支配されているのが現状だ。
本来の議員内閣制は「与党イコール政府」「政府イコール与党」だ。しかし、実態は「政府・官僚」の力が強大で、政治家は官僚の思うがままにコントロールされている。自自連立で政府委員制度を廃止し、副大臣・政務官を充実したにもかかわらず、国会を国民の代表たる政治家の手にという本来の趣旨がまったく理解されていない。
鈴木宗男氏の問題も鈴木氏一人だけが悪者のような話になっているが、事実上の権限を握っているのは外務省だ。確かに鈴木氏は官僚と癒着しただろうが、双方が良好な関係にある時は、外務省も鈴木氏を利用してきたはずなのだから、役所だって共同共謀正犯だ。
また統治機構の改革で、もう一つ行政面から言うと、国から地方への個別事業の補助金をなくし、地方の自主財源として一括交付金にすべきだ。時の政府の政策的な意図で、ある地域に重点配分されるということはあるだろうが、地方だと税金の使われ方に住民の目が届きやすい。個別補助金を扱う特殊法人も不要になる。こうしたリストラで15兆円程度はすぐにでも捻出(ねんしゅつ)できる。
――民主党との連携が動きだしている。日本にとってどのような政界再編が望ましいと考えるか。
小沢党首 本当の意味で新しい政治をつくるには既存政党の合従連衡ではつくれない。しかし政官業の権力構図、いわゆる自民党権力を崩さないことには改革は始まらない。自民党政権を倒した場合、当面の政権の受け皿はどこかとなれば、野党第一党の民主党が中心となり、野党が協力し受け皿となるための形を国民に示さなければならない。
――そうすると、その後もさらに再編はある。
小沢党首 民主党を中心とした政権ができ、自民党が野党になったら、おのおのが主張し選挙をやる。そうすることで、既存政党の枠は取り払われる。
――田中真紀子前外相との連携も一部にうわさされているが。
小沢党首 (田中さんは)庶民の目線で官僚の鉄壁な組織に挑み、腐敗しきった役所の姿を白日にさらけ出したという意味での功績はある。ただ外交なら外交をもっと勉強し、自分の考えを持たないと役人はついて来ない。この部分をきちんとやれば、もっと役所の構造的な部分にメスを入れられたと思う。
最後は旧体制と一緒になった小泉首相に放り出されたが、彼女自身国民にアピールする能力もあり人気もある。しかし今、何らかの主張を持ち、政治的行動を起こすことはないのではないか。彼女と会ってはいるが、こうしたことを話したことはない。
――自民党幹事長まで務めた立場で、当時の自民党と今の自民党はどう違うか。
小沢党首 もともとコンセンサス(合意形式)社会を代表する政党なので、昔も「決断」ということはなかったが、それでも派閥の親分や幹事長などのポストにある人間が曲がりなりにも結論を出せば、それは守った。自分も野党との話し合いで約束したことは必ず守った。そういう空気がまだあった。パーフェクトではないが、政権党の必要条件は備えていた。
しかし、今はその基礎的な必要条件すらも失っている。小泉首相であろうと、山崎拓幹事長であろうと、統治者能力はない。いろいろ決めているのはすべて役所だ。単なる権力のもとに集まっている集団で、政党としての機能を失っている。
――自民党の中核である最大派閥の旧経世会、橋本派ががたついている。
小沢党首 自民党そのものが機能不全に陥っているということの象徴的な表れではないか。
――かねてから二大政党論者だが、最終的に何を軸に大別されるのが望ましいのか。
小沢党首 思想的に言うと、平等社会を重んじるいわゆる管理型で、どちらかというと内政型、伝統的なコンセンサス社会を重視するグループ。もう一方はその逆で、自己責任と自由競争、規制撤廃、国際社会に対してオープンな外向きのグループということになる。どちらも極端にということではないが、ある時は内政重視型でいい時もあれば、またある時は世界との協調を重視するグループがいい時もある。
――統一地方選まで約一年。本県の知事選、県議選対応は。
小沢党首 知事選は県連内にもいろいろな意見がある。昨年十二月、増田知事と友好関係を修復した。その友好関係に誠意をもって互いにあたるということが確認できるようになれば、自然にいくと思う。そういう意味においては知事サイドの方も誠心誠意やってもらいたいと思うし、われわれの方も本来、われわれが擁立した知事なのだから。その原点を思い起こして、途中の経過にとらわれることなく、素直に考えればいいと思う。双方とも素直になることだ。
県議選は単独で過半数をとることが目標だが、友好関係を結べる人、グループとの共同作業があっても構わない。岩手3区、4区はある程度めどがついてきている。2区は範囲が広いが、県南部と同じように候補者擁立を進めるよう県連執行部に指示している。盛岡で十人前後擁立するとはいかないだろうが、2区、3区、4区でそれぞれ十人前後を擁立するような態勢にしたい。
――海外のメディアは五年ないし十年以内に「日本沈没」と報じているところもある。沈没までのタイムリミットは。
小沢党首 今年中に第一歩が始まるような気がする。国債の売り、あるいは大きな金融機関の破たんがそのきっかけになるのではないか。今は年度末で人為的に株価を上げているが、国家そのものの病気は重い。経済的信用に加え、政治的信用も失墜している。小泉改革のメッキもはがれ、こうした要素も連動するだろう。
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