政権交代の実現へ加速「底流に待望の機運」
岩手日報 11月13日
民主党の小沢一郎氏(旧自由党党首)は十二日、同党が躍進した衆院選結果を受けて、岩手日報社の単独インタビューに応じた。同党が目指した政権交代はならなかったが、二大政党制の足掛かりがみえたことで「政権獲得への明確なステップができた」と強調。来年夏の参院選は「何としても勝たなければならない」と自民党政権の打倒に強い意欲を示し、岩手選挙区に擁立する候補について「今月中に決めるよう指示している」と準備を急ぐ考えを示した。

民主党は改選前に比べて四十議席増の百七十七議席にとどまった。小沢氏は伸びきれなかった背景について、小選挙区で史上二番目の低さとなった投票率を挙げ「あと4、5%投票率が上がっていれば自民党を上回り、第一党になっていたと思う」と指摘。その上で「比例代表では自民党に勝っている。底辺には政権交代が必要だとの意識が流れている。政権交代に現実味がでてきた」とし、次期衆院選で政権獲得にかける意気込みを示した。

同党が掲げたマニフェスト(政権公約)について「自民党に比べるとかなり明確にマニフェストを示したが、まだあいまいな部分があり、もう一歩踏み込めなかった。自民党との違いを明確に出すことだ」と課題を挙げた。

与党は絶対安定多数を確保したが「内外の状況は八方ふさがりで、小泉政権はそんなに長くは続かない。どのような形で政局が動くか分からないが、ますます流動化してきている」と政局の展開を予測する。

来年夏の参院選では「一人区で勝たなければならない。そのためには早く候補を決め、準備すること。岩手選挙区は年末から活動をしなければいけない」と語った。 民主党は躍進したが、一方で与党は絶対安定多数を確保した。どう受け止めるか。

「政権を獲得するという意味で言えば敗北だが、今回の選挙で政権獲得への明確なステップ、橋頭保ができた」

――民主党がもう一つ伸びきれなかった理由は。

「一つは投票率が低かったこと。あと4、5%投票率が上がっていれば、過半数までいくかどうかは分からないが、自民党を上回り、第一党になっていたと思う」

「投票率が低かったのは、一つは有権者に投票所まで足を運んでもらうだけのパンチの利いた中身、力がまだなかったこと。一方、国民サイドから言えば、世論調査でも分かるように、政権選択、政権交代といっても六、七割の人は『どうせ自民党が勝つんだろう』という意識だった。リアリティーがまだなかった。その意味では、今回の選挙結果をみて『自分たちがもう少し投票に行けば、与野党が逆転する』ということが分かったと思う。政権交代に現実味が出てきた」

「もう一つは日常活動。わが方の日常活動は自民党の十分の一だ。みんな風頼みなんだ。今回、投票率がr%を切ってもわが党が健闘し、比例代表では自民党に勝った。底辺には(政権交代が必要だとの意識が)流れているということだ。先進民主主義国なら小選挙区と比例代表の結果は一致するはずだ。しかし、日本では、小選挙区で自民党が日ごろ人間関係をいっぱいつくっている。だから負けてしまう。日常の地道な活動を一生懸命やっていれば絶対勝てる」

――「マニフェスト選挙」とも言われた。民主党は「五つの約束」「二つの提言」を訴えたが。
「自分たちが政権を獲得したら何をするかということを具体的に国民に示すことは本当は当たり前のことだ。民主党は自民党に比べるとかなり明確にマニフェストを示したが、社会保障や安全保障、年金、郵政の問題にしろ、まだあいまいな部分がある。もう一歩踏み込めないものだから、そこを自民党に突かれた。自民党はあいまいでいいかげんだから駄目で、われわれに政権を任せてほしいという立場なのだから、明確に自民党との違いを出さなければいけないということだ」

――次の総選挙が本当の意味で政権交代をかけた戦いとなるが。
「内外の状況は八方ふさがりでもうもたない。例えばイラク問題も深刻だ。日本が自衛隊を派遣しなければ米国の機嫌を損じる。今、さあどうしようという話になっている。国際政治であれ、国内政治であれ、無原則でいいかげんなおつきあいをしているからだ。その場その場で適当にやっていれば済むという時代ではない。小泉政権はその場その場の典型。だから長くは続かない」

「どのような形で政局が動くかは分からないが、ますます流動化してきている。事実上、自民党の基盤は空洞化している。公明党、創価学会への依存が強くなっている。自民党の支持基盤が崩れているということだ」

――総選挙の時期は。
「早いかもしれないし、状況の激変によっては、それどころではなく政局になるかもしれない。経済も良いと言っているが、本当は良くない。来年はまた失速する可能性もある。北朝鮮のほか、中国の問題もある」

――来年夏には参院選がある。どう臨むか。
「勝たなければならない。複数区では一人は当選できると思う。一人区で勝たなければならない。衆院選で言えば、小選挙区で勝たなければならないということだ。そのためには早く候補者を決めること。執行部にも早く準備しないと駄目だと話している」

――岩手選挙区の候補擁立の目標は。
「今月中には候補を決めるように言ってある。年末からは活動をしなければならない」

――旧自由、民主党の合併以降「一兵卒」できた。執行部入りを求める声もあるが。
「菅代表は何かになってくださいと言っていたが、形式的な肩書はいらない。肩書がなくとも協力すると言っている」

――今選挙の結果で支持者の期待も大きいと思うが。
「県民には変わらぬ支援のおかげで、小選挙区も比例代表も自民党を上回ることができ、感謝している」 「今まで国民もお役所任せですんできたから、政治的に関心が低かった。激変の時代は、本当に政治家が政治をやらなければならない。最近、小沢待望論などいろいろいうが、国民がしっかりバックアップしてくれなければできない。小泉首相と同じような浮ついた人気ではどうしようもない。本当にお任せするからしっかり頼みますよ|ということでなくては駄目だと言っている。全国の有権者が岩手県民のように支持してくれるならいいのだが」
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