「半世紀たって、自民党政治の限界はすでに明白になっている。このままでは間違いなく、財政、金融が破たんし、この国は崩壊する。1%の大金持ちと、99%の国民の窮乏生活が待っている。しかし、政府・自民党はまったく危機感がない。このうえは野党が大同団結して、自民党に代わる新しい政権をつくるしかない」
折から、来年度予算案の年度内成立は決まったが、「小泉政治」の閉塞感はいかんともしがたい。対して、野党もこうした「小泉政治」を攻めあぐねている。各党、思惑多々あり、バラバラでは戦いになるはずがない。
民主、自由両党の合流問題が協議され始めた今、野党結集のキーマン、小沢一郎・自由党党首に、「憂国の情」その胸の内を聞いた。
今、両党の合流問題は近々に両党が政権構想協議会を設置、四月の統一地方選挙に結論を得ることで合意している。しかし、自由党が門戸を広げている一方、民主党の腰が引けているのが現実だ。まず、これをどう見るか。
「両党が一緒にならなければ、次の総選挙でとくに地方は自民党に勝てない。それが分かっていながら進まないというのでは、政権を取る意欲の欠如としか言いようがない。自民党が“泥船”であるのは分かっている。国民はそれに代わる船が見えて来ないので、やむなく“泥船”に乗っているだけだ。一緒になって新しい船を造れば、事実上、民主党の政権ができるのに民主党は何をやっているのかということだ」
成否は、菅直人・代表のリーダーシップにかかるのではないか。
いっそ鳩山さんのグループと合流、新党となったほうが、国民の支持も集まりやすいのではないか。グループ外の保守系もついて来るだろうし、「数合わせ」の批判は遠のく。
「いずれにせよ、民主党は早晩、結論を迫られる。それにしても、日本人は初めから分かり切っていることを、追い詰められ、ギリギリで妥協するという非論理性に満ちている。ガンも、早期治療なら今はいくらでも手を打てる。切端詰まってからでは遅いのだが」
社民党の野党結集への参加の可能性は。
「社民党は自治労系、日教組系が引っ張っているが、今や議員やその支持者も、自分たちの主張が全部受け入れられるとは思っていない。大体、今では共産党のほうがはるかに柔軟だ。しかし、社民党の大部分も一緒になる可能性は十分ある」
それにしても、小沢さんが期待した「小選挙区制導入で政権交代可能な二大政党」は、十年近くたっても実現していない。
「明治維新も“黒船”から十五年かかった。新進党は惜しいことをした。公明党、創価学会が入っていたので一つになれなかった。そう簡単なものではないが、方向性としては間違いなく進んでいる」
「小泉政権になって、無きに等しい。しかし、JAさんもしっかりする必要がある。僕はウルグアイラウンドの時、“米国と話をつけて手を結べ。それが得策”と言ったが、農業新聞さんには“小沢は農政の敵”と書かれたな(笑)。先見性を持つことだ。WTOも、またぞろギリギリでの妥協とならねばよいがと心配している」
先ごろ、党首は比叡山延暦寺で加持祈祷を受けた。何を想って手を合わせたのか。
「ここ数年の政治の行く末で日本の運命は決まる。私欲を捨て、無心で頑張ろうと」
インタビュー中、筆者は小沢党首にいささかの余裕といらだちを垣間見た。原理原則を尊ぶ「剛腕」、舞台回しはピカ一の人だけに、いよいよ目が離なせないと言える。
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