年末インタビュー
共同通信  
共同通信のインタビューに答えた内容は次の通り。

―衆院選の敗因は。

小沢  (岡田克也前代表は)自民党と重なり合う部分が大きいほど国民が安心する、自民党と似たり寄ったりの方がいいという意見だった。しかし、国民は変化を求めている。そこを小泉純一郎首相のパフォーマンスがうまくとらえた。民主党に向かってくるはずの期待感が、みんな小泉首相に行ってしまった。五五年体制からどう脱皮したらいいかが問われている時に、自民党と同じでは勝てるはずがない

今度の議席数だけを見て驚く必要はない。小選挙区制は得票差以上に議席差が大きく出る。制度は私の狙い通りに機能している。ただ残念なことに、今回は相手方にプラス効果が行ってしまった。しかし制度的にいうと、われわれがきちんとやっていけば、いつでも逆の現象が起こり得る。議会制民主主義の本来の機能である政権交代が可能であることが実証されたといえる

―前原誠司代表の「対案提示」路線の評価は。

小沢  対案提示自体はいい。ただ、対案の基となる(党の)基本的な主張、理念が定まっていないのだから、まともな対案を作れるはずがない。結局は、官僚支配体制の中で作られた政府・自民党案に対して、同じレベルでちょっと違うだけの案を出すという話になってしまう。役人の考えとベースの違う考え方を打ち出せないと政権は取れない。基本的な考え方が自民党、官僚と同じなら、『民主党はいらない』となるからだ

―前原氏は「脱労組依存」も掲げている。

小沢  民主党の掲げる新しい時代の理念はこうだと明確にすることが先だ。票とカネを労組だけに頼らないという意味で『脱労組』と言うのはいいが、言葉の問題ではない。民主党はどういう社会をつくるのかというシグナルを国民に発して、それを支持してくれるなら、労組でも誰でもいい。支持層が労組だけでなくなれば、結果として脱労組が実現することになる

―党の理念として打ち出すべきものは。

小沢  内向きで五五年体制的なコンセンサス政治を哲学とする政党では、新しい日本を築くことはできない。国際化の中で、もう少し外向き、オープンで自由な活動ができ、しかもその前提として公正さを確保する社会を目指さなければならない。旧来のやり方でいいというのは私の描いている民主党ではない

―自民党内の「反小泉」勢力との連携はあるか。

小沢  あり得ない。自民党の人たちは権力でつながっている。自ら権力を離れるような人はいない

―小泉純一郎首相の政権運営で評価できる点は。

小沢  実は中身はないのだが、リーダーシップに対する国民のアレルギーがなくなったという面ではいいかもしれない

―ポスト小泉をどう見る。

小沢  (自民党総裁選に)党員投票を導入して以来、党内の力学だけでなく、一般人気やパフォーマンスが非常に強く影響するようになった。そういう人気の得られる人がなるということだろう

―首相は前原誠司代表に自民、民主両党の「大連立」を打診した。

小沢  事実とすれば、自民党と連立してもいいという方向を探るのか、それとも新しい日本の政権を担う、自民党に代わる政党として進んでいくのか、という選択も生じかねない。しかし連立の道を選ぶなら、二〇〇七年の参院選は選挙にならない。国民の期待に応える健全野党として政権交代を目指して断固やる、という生き方を選択し、アピールしなければならない

―参院選をどう戦うか。

小沢  勝てる選挙だ。与党の議席を約二十減らせば過半数割れになる。そうすると、(ポスト小泉の)新しい内閣は吹っ飛ぶ。こちらががっちり態勢をつくって戦いに臨めば十分に勝てる
 
民主党はこれだけ人気が悪くても(先の衆院選で)あれだけの票が入った。政治の現状に国民がいかに不満、不安を持っているかということだ。意味不明の政党にこれだけ入るのだから、(民主党が)ピリッとしたら圧勝する。首相は選挙制度改革で(衆参両院の議員数を)三百、百五十に減らすべきだと言い、比例代表をなくそうとしているようだが、望むところだ。一発で政権交代が実現する

―来年の民主党代表選にどうかかわるか。

小沢  私がどうのこうのではなく、まず党員が深刻に議論しなければいけない。民主党の在り方、針路について徹底的に論争すべきだ。旧来のコンセンサス社会的な発想、手法でいいというなら、自民党と一緒になる以外にない。民主党にいる意味がない

―分裂もあり得るか。

小沢  いや、分裂というほどのことはないと思う

―前原氏の党運営は。

小沢  新しい時代の理念・政策を体系的にまとめて、これでどうかと党内論争を挑めばいい。白熱の議論をすべきだ。連立の方向なのか、それとも対立軸を明示して本当の改革政党として政権を目指すのか。そこをあいまいにしていると、選挙には絶対に勝てない
ページのトップ