特別インタビュー
夕刊フジ  
新生民主党を率いる小沢一郎代表(63)が10日までに、本紙の独占インタビューに応じ、代表選で戦った菅直人元代表(59)を代表代行に据え、鳩山由紀夫幹事長(59)ら前執行部を再任した仰天人事の舞台裏を明らかにした。その上で、政権交代への秘策、ポスト小泉候補評…などを大いに語った。

−−執行部人事の評価が高い。ひらめきがあったのか

 「自然だよ。(人事は)代表就任後に考えたが、『国会会期中』と『挙党一致』という要素を足して2で割った。これしかない。僕はトップダウン式の『剛腕』とか言われるが、師匠の田中(角栄元首相)先生や竹下(登元首相)先生、金丸(信元副総裁)先生はコンセンサス手法の達人だった。彼らに教えられた自分もまた免許皆伝だと思っている」

 「僕は日本の現状を踏まえて、『今までと違った発想、手法でやらなければダメだ』と訴えているが、現在の民主党は挙党一致で和を大事にしないとならない非常事態にある。今回はそういう考えでやった」

 −−居抜き人事でも小沢流の実現は大丈夫か

 「全然関係ない。大切なのは、1人ひとりが責任を持って仕事ができるようにすること。無責任体制がよくないんだ。(再任を要請され)みんな目を白黒させて驚いていたようだがね」

 −−側近政治という批判もあったが

 「マスコミは『側近がどう』『誰がどう』と言いたがるが、そうじゃない。自分の仕事に責任を持って一生懸命に努力する人を使う。サボっている人は誰だってダメだ」

 −−菅、鳩山両氏との協力関係も深まった

 「投票翌日(8日)、3人でじっくり話し合った。ここで政権交代を実現するため、大まかな役割分担を決めた」

−−具体的には

 「僕は来年夏の参院選で勝つために全力を尽くす。候補者選定から地域の組織固めなど徹底的にやる。菅さんは国会論戦や遊説だ。党首討論は仕方ないが、菅さんの突破力には期待している。鳩山さんには国会対応と党務を見てもらう」

 −−週1回程度、3人で会合を持つとか

 「3人の方向が違うと困るからね。一致団結してやっていく」

 −−代表選で獲得した119票(票差)は予想通りか

 「僕は全然(票読みを)聞いてないんだ。もともと、みこしに乗るのは好きじゃないし…。出馬会見後に議員会館などを戸別訪問したけど、担ぐ人に任せていた」

−−勝利を決定付けたとされる政見表明の「まず私自身が変わらなければならない」という言葉は自分で考えたのか

 「危機的現状にある日本を変えるため、僕も民主党も変わらなければならない。若い議員の話を参考にして、僕自身の決意を語った。いろんな人に『あの演説は良かった』といわれるよ」

 −−具体的に自分をどう変える

 「僕はこれまで自分の政治理念や主張、政治姿勢を貫き通したい気持ちが強く、そのためにカドが立ち、批判されてきた。今回、政権交代を十分に狙える民主党の代表となった。多くの議員や候補者をまとめ、国民の支持を得るには和が必要だ。今まで足りなかった面にも配慮したい」

−−自民党は警戒しているようだ

 「自民党の支持基盤の中に、僕のファンや知り合いが多いからね」

 −−小沢氏が代表となり、9月の自民党総裁選への影響も指摘されている。「麻垣康三」と呼ばれる候補をどう見るか。まず麻生太郎外相は

 「彼は名門だ。僕とも縁が深い。彼の祖父の吉田茂元首相に僕の父(=小沢佐重喜元建設相。吉田氏の側近)がお世話になった。義父の鈴木善幸元首相は同郷だ。彼は素晴らしい教養と資質を持っていると思う」

 −−谷垣禎一財務相は

 「僕が自民党総務局長のときの補欠選挙で、野中広務元官房長官と一緒に当選させた。自民党で2議席独占したため、当時の中曽根康弘首相に『芸術のようだ』とホメられた。谷垣氏は真面目で純粋、いい政治家だ」

 −−福田康夫氏は

 「良く知らない。親父さん(=福田赳夫元首相。小沢氏の師匠・田中角栄氏と角福戦争を戦った)はある程度知っているが…。コモンセンス(常識)をきちんと持った、安定感ある政治家だろうね」

 −−国民的人気の高い安倍晋三官房長官は

 「親父さん(=安倍晋太郎元外相)も立派な人だった。残念ながら、首相になる直前で亡くなったが…。安倍氏は若いだけでなく信念もある。今回かどうか分からないが、ぜひ、首相になってもらいたい」

 −−誰がポスト小泉だとやりにくい

 「誰が相手でも関係ない。問題は民主党にある。政党とは国民のための政策を作り、実行していくことに存在価値があり、野党は与党とは違った対立軸を示し、国民に選択させる責任がある」

 「国民は現状や未来に不満や不安を抱えている。安全保障でも社会保障でも、党内で徹底的に議論して明確な主張を決め、国民に分かりやすく伝えていく。それが、きちんとできれば間違いなく政権交代はできる」

 −−自信満々ですが、趣味の海釣りも当分お預けか
 
「何としても行きたいんだけどな…」
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