ガソリン税の暫定税率を期限切れに追い込み、「ガソリン値下げ」という公約を果たした民主党の小沢一郎代表が本紙の単独インタビューに応じ、福田康夫率いる自公政権倒閣に向け、宣戦布告した。小沢氏は福田首相のトップリーダーとしての資格に疑問を呈した上で、解散・総選挙に勝利して「平成維新」を成し遂げる決意を明らかにした。
−−1日以降、全国でガソリン代が値下がりした
「本当によかった。国民の方々の多くが喜んでいるようだ。政府・与党が煽った『パニック』や『混乱』も起きなかった。国民や石油業者は賢く、事態を冷静に把握していた。パニックを煽った政府・与党は国民をバカにしている」
−−経済への影響は
「GDPを0・4%押し上げるとの試算もある。日本経済はいま、インフレと景気後退が同時に発生するスタグフレーションの瀬戸際にある。食料品や電気、ガスなどが相次いで、しかも大幅に上がっているなか、今回の暫定税率期限切れは国民の懐に直接還元できる景気対策でもある」
−−税率廃止の真意は
「日本の道路舗装率は97%で、道路密度は英仏の2倍、米国の3・5倍に達している。残る整備は高速道路と生活関連の道路だけで、道路整備はほぼ終わっている。34年間続けた『暫定税率』を、さらに10年も続け、道路建設に59兆円も注ぎ込む必要はない」
「福田に資格なし」
−−政府・与党は「2兆6000億円の税収不足になる」と批判する
「道路整備特別会計は毎年1兆円近く余っているうえ、出資などに回されている資産が7兆円もある。政府・与党に聞けば『これは○○の予算だ』と言い張るだろうが、実は税収が余ってムダ遣いなどの弊害が起きているのが現実だ」
−−ムダ遣いには批判が強い
「国交省の出先機関が、道路特定財源でマッサージチェアやカラオケセットを購入したり、天下り団体が1人9万円の豪華職員旅行をしたり。道路財源から100億円以上も補助金を受け取っている業界の政治団体が、自民党道路族などに献金するなど、政官業癒着も明らかになった」
「本来、高速道路は民営化した道路会社が造るものだが、税収が余っているため、『高規格道路』と称して、国交省自身が事実上の高速道路建設に乗り出している。『暫定税率を廃止したら高速道路建設ができない』というのはウソだ」
−−福田首相をどうみる
「国民から見放されつつある。悪い人物ではないが、トップリーダーとしてどうか。いつもギリギリまで判断できない。『自分がない』ということだ」
−−福田首相は「09年度から道路特定財源を一般財源化する」と提案した
「私も一般財源化には賛成だが、首相の話は党議決定や閣議決定を得ていない。官房長官も副長官も同席しない異常な会見であり、実際、自民党の伊吹文明幹事長は直後、『政府としての考えを言っている』と言い放った。福田首相が『ただ、言ってみた』という類のものでは、与野党協議には入れない。現に、自民党内で一般財源化の議論は進んでいない」
「政官業癒着の自民党か、革命的転換目指す民主党か」
−−提案の内容は
「簡単に言うと、国交省が握っていた財布(=道路特定財源)を財務省に移し替えるもの。(財務省に近い)首相らしい。一般財源化しても、その大半を道路建設に使える余地も残っている。民主党が訴える抜本的改革ではなく、言葉だけのごまかしと言える」
−−民主党の改革案は
「暫定税率廃止は突破口の1つだ。中央政府が補助金を通じて地方の個別事業に関与することは一切やめ、地方に権限も財源も一括して委譲する。中央政府は外交や安全保障、治安、社会保障といった国家的問題に特化し、国民生活に関する分野は地方に分権していく。それは政官業癒着による『腐敗の連鎖』を断ち切ることにもなる」
−−天下りの問題は
「天下り全廃とともに、官僚制度を抜本的に改革する。中央省庁の役人は減らし、定年まで働けるようにする。特別会計で天下り先の財団法人や団体を維持することは認めない。英国は天下りを禁止しているが、年金で(現役時給与の)7、8割を受け取ることができる。結局、その方が安上がりで、不正もない。自民党は『政官業癒着の構図』に乗っているから、自分たちの手足を切るような改革はできない」
「舛添厚労相の無責任体質は許されない」
−−「消えた年金」問題への対応は 「『3月末までに統合完了』という公約は破られた。期限内に統合が終了したのは5000万件のうち、8%の417万件だけ。それでも、舛添要一厚労相は『一生懸命やっている』とケロッとしている。この無責任体質は許されない。自分でケジメをつけないなら、問責決議案提出も考えなければならない」
「暫定税率再議決阻止に全力」
−−与党は暫定税率復活のため、再議決を狙っている
「国民次第だ。与党は衆院で3分の2以上を持っているから、強引にやる気になれば再議決できるが、国民が『ガソリン代を上げるな』『再議決するな』と訴えれば、与党はできない。民主党も必死に戦っていくが、国民が行動しないとダメだ。国民が動けば政治は変わる。地元の与党議員に訴えてほしい」
−−与党と民主党の政策的距離は大きい
「ここまで来れば、解散・総選挙で国民の判断を仰ぐしかない。細かな争点は『暫定税率の廃止か維持か』『年金問題の対応』などだが、大きな争点は『政官業癒着の自民党政権を続けるか、明治以来の革命的転換を目指す民主党政権か』だ。マスコミも含め、多くの人は現在の仕組みを前提に議論しているが、われわれは仕組み全体の改革を主張している。場当たり的な対応では無理だ。平成の維新を成し遂げなければ日本の未来はない」
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