第18回 2000年11月17日
テロに屈する威信のなさでは法治国家は成り立たないゾ!!

 米大統領選挙の開票が混乱している最中、日本赤軍リーダーで、1974年にオランダ・ハーグのフランス大使館を武装占拠したとして、警察庁から逮捕監禁容疑で国際手配されていた重信房子容疑者が大阪で逮捕された。

 新聞もテレビも大騒ぎして、中には英雄視するような不届きな報道もあったが、彼女はあくまでも犯罪者であって、僕の感覚でいえばあれほど騒ぐ話じゃない。それよりも問題だと思うのは、わが国の法治国家としての姿勢だろう。

 日本赤軍は70年代、ロッド空港乱射事件(72年)や日航機乗っ取り事件(73年)などのテロ事件を起こし、ダッカ日航機ハイジャック事件(77年)では、拘置中の連続企業爆破グループらの釈放を求めてきた。

 このとき、日本政府は脅しに屈して「人の命は地球より重い」として仲間のテロリストを超法規的措置で釈放させた。これは法治国家として絶対にしてはならない。当時、若手議員だった僕は猛烈に異議を唱えたのだが退けられた。

 案の定、それから「日本人を狙え」といった風潮が世界中に広がり、ペルーの日本大使館公邸占拠事件や海外駐在商社マンの誘拐事件などが多発したうえ、国際社会で日本は「テロに屈する国」「犯罪者を野放しにする国」として信頼を失った。他国では「テロリストとは取引しない」のが常識であり、少々強引でも断固とした姿勢で対応する。弱腰の日本は世界中の笑い物になっている。

 これは国家としての威信の問題。テロに屈するようでは法治国家、民主主義国家は成り立たないんだ。

 先日、北朝鮮による日本人拉致(らち)事件をめぐって、森喜朗首相が英国のブレア首相に「第三国発見方式」提案を漏らして大問題となったけど、この首相の感覚はテロリストを釈放した当時の日本政府の感覚とまったく同じ。重大な主権侵害に対して「どうでもいい」といった姿勢であり、戦後政治、自民党政治のもっとも間違った考え方。自民党のいけない体質が表れたものといえる。

 無法者の言う通りにしていては国民の命と生活は守れない。彼らのお慈悲にすがるなんてバカな話はない。断固として戦わないと。民主主義はあくまでルールに従って行動しなければならない。これを機会に、主権国家とは何か、法治国家とは何か、民主主義国家とは何かについて、国民的な議論を深めるべきだよ。

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